特集:
2008/06/15 日記<ミニバン>
ミニバン
・タウン・アンド・カントリー
(:en:Chrysler Town and Country|Town and Country)
(2代目・後期型)
ミニバン(Minivan)は自動車のスタイルの呼称である。
概要
ミニバンの規格や技術的な定義は存在しないが、一般的には、スペース効率を上げて座席数を確保するため着座姿勢が立ち気味(アップライト)で、全長に対する室内長と室内高は比較的大きい。ヨーロッパ|欧州ではMPVやモノスペースとよばれる場合が多い。「ミニ」バンと呼ばれるものの、日本において、この場合の「ミニ」という語には大きさを表す意味はすでに無いもともと大柄な乗用車が少ない日本では、多くのミニバンが、“ミニ”とは呼べない大きさとなるため。。また、「バン」も、日本の感覚の貨物自動車|貨物車であるライトバンを表している訳ではなく、英語の「箱型車体」に由来している。シルエットでは、1.5BOX、2BOX、ワンモーションとも言われる形状でもあり、販売戦略上、商用車との混同を避けてきたため、キャブオーバータイプのいわゆるワンボックスカーとは区別されている。日本での車検証の記載はステーションワゴンとなる。 3列目にシート(サードシート)を備え、それをセールスポイントとしている車種が多い但し絶対条件ではなく、以前はマツダ・ボンゴフレンディ、ホンダ・ステップワゴン(初代)、トヨタ・ノア/トヨタ・ヴォクシー|ヴォクシーにもサードシートがないグレードが存在している。。日本車での3列シートの配置は、1列目がセパレートシート、2・3列目を3人がけのベンチシートとした8人乗り、2列目をキャプテンシート(セパレート)+3列目を3人がけベンチシートとした7人乗り、2列目を3人がけベンチシート+3列目を2人がけのベンチシートとした7人乗りのいずれかが多い。このほか、アメリカ車では、3列すべてがベンチシートのものや、欧州車では、すべてが独立シートのものも存在する。
歴史
「クライスラーKプラットフォーム」という乗用車のモノコックベースで製作されて1983年に1984年モデルとして発売されたクライスラーのダッジ・キャラバン(:en:Dodge Caravan & Grand Caravan|Dodge Caravan、現在の:en:Dodge Journey|Journey)2代目およびプリマス・ボイジャー(:en:Plymouth Voyager/Grand Voyager|Voyager)2代目が北アメリカ|北米のサッカーマム達に受け入れられ、ミニバンのスタイルを決定付けたオリジナルとされる。この型はのちにもう一つの姉妹車種であるクライスラー・タウンアンドカントリー(:en:Chrysler Town and Country|Town and Country)としても販売され、さらにその後の世代交代で姉妹車種が集約され、クライスラー・ボイジャーも生まれた。バン型で、フルサイズよりもはるかに小さいことからミニバンとの名称が使用されるようになったが、前輪駆動|FFの乗用車ベースで、床が低く、乗り心地に優れるというのが大きなセールスポイントの一つでもある。一方、日本でワンボックスカーと認識されているトヨタのトヨタ・タウンエース|タウンエース / トヨタ・マスターエース|マスターエースだが、米国では「:en:Toyota Van|Toyota Van」として同年に発売され、これがキャラバンと並び、米国ではミニバンの始まりの一車種とされている(:en:Minivan#History|英語版)。ゼネラルモーターズ(GM)はキャラバンに対抗して、トラックのフレーム構造をベースとしたフルサイズバン(シボレー・エクスプレス / シボレー・シェビーバン|シェビーバン)の縮小版として、1985年に、シボレー・アストロ、GMCサファリを出したが、乗り心地の点で乗用車には及ばず、キャラバンには対抗できなかった。フォードもGM同様、トラック・プラットフォームであるフォード・エコノラインの一クラス下として、1985年にエアロスターを発売している。クライスラー以外はいずれも商用車ベースで、二輪駆動の場合はFRである。ヨーロッパでは1984年に発売が開始されたルノー・エスパスがミニバンに相当する最初の車種として知られている。エスパスは、当時クライスラー社の欧州子会社(欧州クライスラー)が自社ブランドのシムカから発売しようとマトラ (自動車)|マトラ社に製作を依頼していたものだった。マトラ社は1977年にはかなりの開発を進めていたが、エスパスとなるまでに時間を要したのは、クライスラーが欧州から資本を引き上げたためだった。日本では、1975年の第21回東京モーターショー(東京晴海)にトヨタからトヨタ・MP-1|マルチパーパスワゴンMP-1が参考出品されている。トヨタはステーションワゴンをアレンジしたRV系の車を以前から参考出品車していたが、より実用的な方向として多目的ワゴンのMP-1が開発された。そのコンセプトや実際の車のつくりは、今日の目でみればミニバンカテゴリーの車である。一般には1982年発表の日産・リバティ|日産・プレーリー、1983年の三菱・シャリオが日本でのミニバンの始祖といわれる。三菱自動車はシャリオとなるSSW(スーパースペースワゴン)の開発を1977年頃から開始している。これは1981年の第24回東京モーターショーに出品され公開された。三菱自動車は創業時からクライスラーと資本関係もあり、開発や販売も多岐にわたり協業している。日欧米の最初のミニバンが共にクライスラーがらみであった。その源がマトラか、クライスラーか、あるいは三菱であったのかは定かではない。米国ではクライスラーが最初であるとされ、一方フランスではマトラが最初とされている。トヨタが北米のミニバン・ブームに対し、プレビアを1990年に投入、同年日本にもトヨタ・エスティマとして投入した。トヨタは高級乗用車として宣伝に努めたが、メディアやユーザーはまだワンボックスカーとして扱った。その後、ホンダ・アコード|アコードの生産設備の制約から車高が高くできなかったホンダ・オデッセイが1994年に投入された。ホンダはクリエイティブ・ムーバーとカテゴライズし、ミニバンとは決して呼ばなかった。オデッセイは好調な販売を記録し、これが決定的となり、日本においてミニバンという呼称が普及するきっかけとなった。1994年当初はミニバンはRVの1ジャンルという扱いだったが、2000年代に入り、SUVという用語が普及するにともない、RVは自動車メーカーがマーケティング用語としては用いなくなった。一方、ミニバンはそれ自体独立した車種カテゴリーとなっただけでなく、セダンに代わる売れ筋ファミリーカーのカテゴリーの一つとして定着し、最も大きな地位を占めるようになった。日本での傾向
ミニバンのブーム
日本のメーカーのミニバンという視点では1982年に発表された日産プレーリー、1983年に発売された三菱シャリオらがその始祖に当たる。しかしこれらはまだ大きな影響は与えなかった。1990年に北米向けに開発されたトヨタエスティマが日本にも登入され、それは技術とデザインの面も含めて日本の自動車業界として一つの契機となった。しかし販売としての貢献はより小さなボディを載せたルシーダ/エミーナの登場までは大きくなかった。1994年に登入されたホンダオデッセイはメーカーの思惑以上に購入者に大きく受け入れられ販売を伸ばした。このため日本市場向けにメーカー各社はオデッセイ仕様とも呼べるタイプの車両の開発販売を急いだ。他のメーカーの同型車も販売は好調となり、乗用車の市場は激変した。これが契機となりミニバンが一般的な大衆ファミリーカーとして定着することとなった。ブームは自動車メーカーや自動車業界関係者の予想を大きく上回った。いままでの日本ではここまで大型の車両が販売の主力になるとは考えられなかった。当初トヨタもホンダもそれぞれが独自の呼び名で宣伝に努めミニバンという呼称は正式には使用していなかった。大きなカテゴリーとなったこの一群を一言で言い表すカテゴリー名が必要とされた。自動車ジャーナリズムはアメリカ発のミニバンという語を盛んに使用し、やがて日本のメーカーが正式採用するに及び、日本特有の状況が加味されたカテゴリー名となった。ミニバン販売数が乗用車販売の第一位となり、ミニバンはセダンにかわり日本のファミリーカーの主役の座となった。ミニバンが普及したため、広い荷室をもちながらも乗り心地よく人を運べる車両がこなれた価格となった。このため、寝台車や身体障害者や高齢者を乗せる福祉車両などのベース車として使用されるようになった。時代の要請から福祉車両の個人購入が広まっており、ミニバンはその中心的な車両カテゴリーでもある。2006年度のボディタイプ別販売台数では、セダンやステーションワゴンを押さえ、もっとも普及している。
これらのブームにより、もともとスポーツ志向の車を得意としていたホンダやマツダなどでも、主力車種をミニバンに移行させている。
タクシーへの利用
タクシーに用いる場合、保安基準で3列目の乗客が避難できるように2列目と3列目の間でウォークスルーができるものでなければならない決まりがあるため、2列目がキャプテンシートの車が多く用いられている。2列目がベンチシートの車は3列目のシートを撤去して5人乗りとして用いるケースが多く、1BOXタイプでは1人掛けシートを撤去して7人乗りとして使用しているケースも稀ながらある。日本ではタクシーには依然として高級感や居住性を求める傾向が強く、このためセダンが一般でミニバンをタクシーに転用されることはあまりない。しかし乗合タクシーには必須であり、大きな荷物を運ぶ必要がある空港タクシーには多く採用されている。
ミニバンの特徴
ボンネットの存在
全てのミニバンに共通して存在しているものがボンネットである。自動車にボンネットがあるのは当たり前と思われるかもしれないが、1990年代前半までは3列目シートを備える車はボンネットの無いキャブオーバースタイルが当たり前だった。しかしキャブオーバーは“エンジンが前席床下にあることによって床面が高くなり、乗り降りしづらい”、“セダン等と運転感覚が大きく異なる”、“前席と後席が隔離され、ウォークスルーが困難”、“エンジンの騒音が酷い”、“前面衝突安全性に問題”、“ホイールベースが短く、操縦安定性に劣る”とデメリットが多かった。ミニバンはボンネットを備え、前輪を前に出すことで、キャブオーバーの持つデメリットを全て解消した。しかし、当然ながらスペース効率の点ではキャブオーバーに及ばない。
セダンに比べると一般的に、重量バランスが悪く燃費や乗り心地、走行性能が悪く、また、静粛性や安全性も劣るが、3列目を備える事で多人数乗車できることと荷物等も載せやすいことから一気に普及した。
3列目シートの存在
ミニバンとされる車種の多くは、3列目シートによりセダンによりも、多くの乗車が可能である。この3列シートの有無がミニバンであるか否かを分けるポイントの一つとして見られることも多いが、かつて、多くのステーションワゴンの荷室には(収納式の)ジャンプシートを備えていることが多いため、この限りではない。また、SUVでも3列目シートをもつものもある。日産・ラフェスタやホンダ・オデッセイ(3代目)は、外観こそはステーションワゴンのごときスタイルであるが、3列目シートを装備しているため、現在の視点ではミニバンと分類される。一方で3列目シートが無いもののミニバンでは無いと否定し切れない車もある。シートこそは2列目までしか用意されてないが、“背高キャビンによる広い室内空間を有す”、“セダンとは異なる高いユーティリティ性を持つ”、“全席ベンチシートによって多人数乗車能力を持つ”のいずれか、もしくは複数の特徴によってミニバン的性格を備えた車がそれであり、例えばトヨタ・ナディアやホンダ・エディックスがこれに当たる。ミニバンに限らない話ではあるが、ユーザーの潜在的需要を発掘するために既存のジャンル分けに捉われない車をメーカーが開発する事はよくあり、このようなモデルは総じてジャンル分けが難しく、メディアによってミニバンに分類されたり、もしくはトールワゴンやステーションワゴンに分類されたりとばらつく場合が多い(ちなみに日産・ルネッサもこの例に含まれる場合があるが、当のメーカーではステーションワゴンに分類している。ルネッサの車高が高い理由は、元々電気自動車として開発されたクルマであり、床下に蓄電池室を持つ二重底構造のため)。過去に販売されていた日産・セドリック / 日産・グロリア|グロリア、トヨタ・クラウン、マツダ・カペラ、トヨタ・セプターなどに用意されたステーションワゴンは、アメリカ製のステーションワゴンに倣って、後ろ向きのサードシートが設けられ、7人乗車が可能となっていた。セドリック / グロリアとクラウンの場合は、コラムシフト+前席3人掛けベンチシートで8人乗車をも可能としていた。一方、ミニバンの先駆者である三菱・シャリオも、7人乗りと5人乗り(3列仕様と2列仕様)を並行販売していた時期がある。また現在でも、メルセデス・ベンツ Eクラスのワゴンモデルは欧米で販売している車種に3列目のシートを用意しており、この他に、以前からトヨタ・ランドクルーザー等のSUVにも用意され、最近ではトヨタ・ヴァンガード等、一部のクロスオーバーSUVにまで用意されている。この点で、3列シートの存在の有無をミニバンとする明確な分類は出来ないが、多くのミニバンと認知されている車種が3列シートなのは事実である。
車高
二輪駆動|FRのキャブオーバー車に比べ、前輪駆動|FFのミニバンは床が低く、おのずと車高も低くなる。ホンダ・オデッセイ(3代目)やホンダ・ストリーム(2代目)、トヨタ・マークXジオのように1550mm以下の車種もあるが、ほとんどのミニバンは、一般的な立体駐車場のケージの制限高である1550mmを超える。天井を高くする事で乗員の姿勢を立たせ、一人当たりの占有面積を減らしている。アップライトなドライビングポジションの視点は、セダンよりも高くなる。高さにより、見晴らしがよく開放感を感じることが出来るが、人間の視野というものが、左右方向には広く、上下方向にはかなり狭いため、直近の低い位置の物体に対して認識が少なくなる傾向がある。このため特にこれらの特性を認識し意識的に視線の移動を行わないと幼児等の身長の低い存在に対する認知が遅れやすく、また走行中も前走車がセダン等の自車より車高の低い車の場合、車間距離が少なめとなりやすいため注意が必要である。直近視界の改善のため、サイドアンダーミラーやCCDイメージセンサ|CCDカメラによるモニタリングが考案された。走行安定性
かつてのキャブオーバー型ワンボックスカーよりも優れた走行安定性を有するとされる車が多い。しかしセダンやステーションワゴンと比べた場合、車高の高いミニバンは、当然重心が比較的高い位置にあり、走行安定性の面において若干劣った形となっている。特に、ワイディングや高速走行ではこの傾向が顕著なため、タイヤ等の足回りの腰砕け現象が発生し長距離走行では運転者、同乗者ともに比較的疲れやすくなっている。なお、当然メーカー側もこうした問題について認識しており、一部のメーカーからは低床低重心の車種や、ミニバン専用のタイヤなどがリリースすることにより、こうした弱点を改善し、現在では多くの車種が走行性能を批判されるどころか、「ミニバンの中では」ハンドリングが良いと評価される車種も多数出現するようになった。変わった例としては初代エスティマがミッドシップレイアウトを採用してミニバンらしかぬ走行性能を実現した。
ミニバンのスタイル
セミキャブオーバー
背高箱型キャビンに控えめなボンネットが突き出た形状のボディー。駆動方式は横置きエンジンのFFもしくは4WDが主流だが、縦置きエンジンのFRも一部存在する。エンジン排気量は2000〜3500cc。ミニバンの中では床面が高いが、視点も高いため前方視界は良好となる。キャビンスペースは広く、3列目まで快適に座れる車種が多い。そのため上級ミニバンは(高級ではない)大抵このタイプとなっている。3列目シートの格納は5:5分割の左右跳ね上げタイプが主流。FRのものはキャブオーバー型ワンボックスカーをルーツとし、操安性や衝突安全性の向上のためセミボンネットスタイルを採り入れた。90年代後期のキャブオーバー型からセミキャブオーバー型への移行期には、キャブオーバー時代の名残で、ボンネット付きでありながらエンジンを前席床下に配置するタイプも多く、スペース効率の良くない車種もあったが、世代交代で淘汰された。同じく移行期には、キャブオーバー型の別名である「1BOX」との区別から「1.5BOX」とも呼ばれたが、今ではキャブオーバー型の乗用車がほぼ存在せず、呼び分ける意義が薄れたため「1.5BOX」という表現が使われる機会は減っている。
画像:2ndelgrand.jpg|日産・エルグランド
画像:2007 Toyota Noah 01.jpg|トヨタ・ノア
2Box
FF乗用車の派生車種に多く見られる。上記の車種に比べ床や室内高はやや低く、キャビンの大きなステーションワゴンと言った風情。駆動方式はFFもしくは4WDで横置きエンジンが主流。
画像:2006 Mazda MPV 02.jpg|マツダ・MPV
Image:Honda Stream 2006.jpg?|ホンダ・ストリーム
Image:Renault Scenic silver vl2.jpg|ルノー・セニック(ヨーロッパ仕様)
ワンモーション
ボンネットとAピラーをスムーズにつなげたスタイル。ドライバーの視点からAピラーの付け根が非常に遠い。
Image:Chevrolet-Lumina-APV.jpg|シボレー・ルミナAPV
(1990 ~ 1993)
Image:VW Sharan front 20070928.jpg|フォルクスワーゲン・シャラン|VW シャラン
(1995 ~ 2000)
Image:Renault Espace front 20080108.jpg|ルノー・エスパス
(2002 ~ )
Image:Mercedes W639 front 20080127.jpg|メルセデス・ベンツ Vクラス
(2004 ~ )
画像:2006 Toyota Estima 01.jpg|トヨタ・エスティマ
脚注
関連項目
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